4月〜5月


4月 5月
ヒラタアブ現る
バラの追肥
ハナミズキ開花
木酢液の葉面散布
シジュウカラのヒナ
親鳥は大忙し
シジュウカラ巣立つ
バラの咲く休日
無農薬でバラを育てるということ

*妹の庭です*
京都の庭だより1



2000. 5. 23 (晴れ)
「無農薬でバラを育てるということ」



(種からのデルフィニュウム 5/23)

 この週末は、庭のバラもピークを迎え、庭に1歩出ると強い香りに全身が包まれます。土曜日はあいにくの雨。雨に濡れても有機栽培で育ったバラの花弁は見た目よりもぐっと厚く、少々のことではへこたれません。雨のしずくが花びらに宿り、それを手のひらで受けとめるとふわっとバラの香りがします。天然のローズウォーターです。翌日は雨も上がり、朝から花がら摘みに大忙し。倒れた草花にも支柱を施て。午後はゆったりと庭でお茶とおしゃべりです。
 この2日間は、素敵なお客様方との出会いの2日間でもありました。そしてどなたも一番関心を待たれるのは、無農薬栽培、そして生ゴミから作る堆肥のことでした。2日間の尽きない話の中で確信を持ったのは、やはり、無農薬でバラは育てられるということ。そのためには堆肥などを使ってミミズや微生物がたくさんすむ”生きた土”を作り、年月をかけてバラを丈夫に育てていくとともにバランスのとれた生態系を築いていくことが大切なのだということ…。このことはまさに無農薬栽培にこの数年間取り組んできた私の実感そのものでした。
 無農薬でバラを育てるという作業は、私たちの生き方そのものにこれまでとは違った道筋を示してくれるようです。早速、堆肥作りに取り組み始めた方々がいらっしゃいます。「無農薬でバラを育てるのってこれからの私たちの生き方をシンボライズしているのではないか」というkajinyさんの掲示板(Tea Time)での発言が心に残る週末でした。





2000. 5. 14 (晴れ時々にわか雨)
「バラの咲く休日」


(ジギタリス 5.14)

 今年は夜温が低いためかバラの開花が遅く待たされましたが、ようやく1週間ほど前からつるバラを筆頭に次々と咲き始めました。一日一日表情が変わるバラたちをカメラを持って追いかけるという日々が続いています。庭に出るとまだ3分咲きほどだというのに強い香りに驚いてしまいます。花の大きさも今年は大きく、花びらの厚みもしっかりとしていて。生ゴミ堆肥や菌根菌の効果が出てきているのでしょうか?そろそろうどんこや黒点病が所々気になりますが、木酢液などを軽くスプレーしてやれば花が咲いているあいだくらいはなんとか乗り切れそうです。今日は、ほとんど一日中を庭で過ごし、夕方になって今日一日で開ききったバラたちの花柄を摘みポプリにしました。梅干を干す大きなざるがポプリを干すには重宝です。摘んだ花びらを広げてソファーの上のカーテンレールにかけておくと、香りのシャワーが坐った人の頭の上に降りてきます。無農薬で育てたバラは、香りも強く、オイルをほとんど使わなくても強い香りのポプリが出来上がるほどです。
 先週巣立ったシジュウカラたちですが早朝親子で連れ立って庭に遊びに来ているのを目撃しました。バラの枝を器用に飛び移っては虫を探してくれていて。子どものシジュウカラは一目でそれとわかるほど小さくて可愛らしいです。そろそろチュウレンジバチが心配な季節、シジュウカラたちは本当に頼もしい存在です。


*京都の庭だより1*

 京都に住んでいる妹がデジカメで撮った写真をメールで送ってきました。妹も母も私もそろって趣味は園芸、妹の庭も時々こうして紹介していきます。どうぞお楽しみに!



2000. 5. 7 (曇り)
「シジュウカラ巣立つ」


(スモークツリー 5.6)

 朝、庭を窓から眺めていると出窓のそばのバラの枝に小さなシジュウカラがとまっています。なにやら虫を探している様子。しばらく見ていると、虫は見つからなかったのかさっと飛びたって行きました。すると、もう一羽、巣箱のところに口に虫をくわえて戻って来るではありませんか。いつものように巣箱の中に入ろうとしたのですが、あれ、入りません。えさをくわえたまま、どこかに飛び去ってしまいました。どうやら、シジュウカラの子どもたちは、巣箱の外へと巣立って行ったようです。先ほど見かけた小さなシジュウカラは、きっと子どものシジュウカラ…。しばらくすると、上の方からピーピーと聞き覚えのある声。すると、隣の家の茂みの中からそれにこたえるように可愛いさえずり声がします。どうやら、親子で呼び合っているようです。わんぱくな子どもたちは、親の知らない間にかってに外に飛び出してしまったのでしょうか?それ以来、巣箱はすっかり空家となり、庭はまた元のように静かになりました。ちょっぴり寂しい感じです。
 夏、親子であのチュウレンジバチの幼虫をぺろりと食べに来てくれる日を待つことにいたしましょう。




2000. 4. 30 (初夏を感じる一日)
「親鳥は大忙し」



(チューリップいろいろ 4.30)

 巣箱の中からヒナドリの声が、一日中聞こえるようになりました。庭のどこにいてもピーピーとせわしなくさえずる声が聞こえてきます。その声にせかされてか、親鳥たちは必死でえさを運んできます。一羽が入ったかと思うとあっという間に出てきて、もう一羽がすぐさま替わりに巣の中に入っていきます。出てきた一羽は、猛スピードでまたえさを取りに空へと舞い上がっていきます。えさを運ぶ間隔は短いときは数分に一度。なんとまあ、忙しいことと、親は小鳥も人間も同じねと、感心することしきりです。巣箱からほんの1mほどの至近距離で観察していても親鳥はお構いなし。さっさと巣箱の中へと入っていきます。暗い巣穴の中をじっと見ていると、ヒナたちの姿がちらちらと見えて。巣立ちもきっともうすぐ。来週あたりには連れ立って飛んで回っているシジュウカラの親子の姿が見られるかも知れません。

 今日は、ようやくバジルの種を蒔きました。サンズコートの5月の種も。その中にタングンチカというクレマチスの種もあります。無事発芽してくれるでしょうか。そのほかに今日は、2〜3月に蒔いた苗の植え広げや植付けをしました。蕾がぐんぐん膨らんでいるバラたちのためには、今週も木酢にんにく液&碧露をしっかり散布。じょうぶと思って少し土作りをいい加減にしたキングローズにびっしりとアブラムシがついてしまって。バラは正直です。しっかり堆肥を施したその他のバラは、アブラムシがついてもごくわずかですから。ゾウムシの被害も目立ちます。摘蕾と思っても、大きな蕾がぐったりとしているのを見るのは、やはり残念です。夕食に、一坪菜園から摘んできたレタス、パセリ、ロケットのサラダをいただきました。レタスは、2月に室内で蒔いたサンズコートの種の中にあったものです。虫もつかずに柔らかく育ってくれて、小さな収穫に感謝です。




2000. 4. 25 (前の日は夕立 )
「シジュウカラのヒナ」


(シジュウカラ 4.19)

 月曜日早朝、庭に出るとむせ返るような緑のにおい。八ヶ岳の雑木林を思い起こさせます。そろそろ間延びしてきたビオラやパンジーの花がらを摘んでいるとシジュウカラが満開のハナミズキの枝にとんできました。
くちばしには、黒っぽく細長いものをくわえて。ちょっと前なら人影があると警戒してなかなか巣箱に入らないのですが、このごろはちょっと違います。一目散に枝から巣箱めがけて飛び移り、さっと中に入っていきます。その瞬間、巣箱の中からはピーピーとなんとも可愛い声が!ヒナたちです。親がえさを運んできたのが嬉しくて仕方が無いのか、早くと催促しているのか。間もなく親鳥は巣穴から顔を覗かせたかと思うとサッとすばやく空に飛び立って行きました。土曜日も日曜日も、ひっきりなしにオスメス交代でえさとなる青虫を運んでいましたっけ。巣穴の外までヒナのさえずり声が聞こえてきたということはぐんぐん生長している証拠でしょう。この声がだんだん力強くなってくると巣立つ日も間近に。しばらくは、シジュウカラの忙しい子育ての日々が続きそうです。




2000. 4. 23 (晴れ、風強し)
「木酢液の葉面散布」


(ハナミズキ 4.23)

 庭のハナミズキそしてチューリップが満開になりました。気温もぐんぐん上昇し、夕方になっても寒くないので、土曜日に今シーズン初めて庭でバーベキューをしました。ライトアップしたハナミズキが美しく食事が済んでもろうそくの炎を囲んでしばし家族で語らいます。たくさんの植物に囲まれたひとときは本当に安らぎます。
 日曜日は、気温が高く風も強く、そろそろ病害虫が心配になってきました。まだ、目に見える被害は無いのですが、予防的に今年は「ニュー碧露」という天然の植物保護液1000倍と、木酢にんにく液500倍を1〜2週間ごとに散布していくことにしました。今日は風が強いのであまりいい条件ではないのですが、なんとか5リットルの希釈液をたっぷりと撒くことができました。地面にもジョーロで木酢にんにく液の200倍程度のものをたっぷりと撒いておきます。これで、黒点病が防除できればしめたものなのですが。どのバラにも小さな蕾がつき始めています。バラの季節はもうすぐそこです。




2000. 4. 16 (雨のち晴れ)
「ハナミズキ開花」


(黄金葉のシモツケとビオラYTT)

 今年の春は、例年より暖かくなるのが遅い感じ。チューリップの開花もわりとゆっくりです。ようやく早咲きのものが咲きそろい、仲咲き、遅咲きのものも順に色付き始めました。チューリップは開花時期が品種によって少しずつ違うのでそのことを計算に入れて品種を選んでおくとゆうに1ヶ月は楽しめます。花後は、庭の目立たない場所に移してそこでゆっくりと球根を太らせ貯蔵し、秋にご近所の空いた地面に植えさせてもらっています。
 今日は、サンズコートから届いた種を蒔きました。もう戸外で芽出しをします。フレームのビニールもはずしました。苗置き場の小さな苗たちは日一日と大きくなっていて。チューリップの次の出番を待っています。
 庭でひときわ大きく生長したハナミズキが今年はたくさん花を付けました。今週中にはちょうど見ごろとなりそうです。ニセアカシアのフリーシアも新芽を出し始めました。心配していたスモークツリーもちゃんと紫の葉を展開しています。去年植えたあらゆる木々がそれぞれに個性的な美しい新葉を伸ばし始めていて。花も好きですがこういった緑の多様さにも惹かれます。花ばかりで庭を構成しようとしていた数年前とは違った奥行きが生まれようとしています。




2000.4.10 (桜は花吹雪)
「バラの追肥」


(斑入りミズキの芽吹き)

 庭jから見える隣家の桜が今年もまた一回り大きくなって満開になりました。日曜日は、庭のテーブルでお握りとお漬物の昼食をとりながら子どもたちとお花見です。冷えこみはすっかり去り、1日中庭で過ごして気持ちがいい季節がようやくやって来たのです。コンテナにぎゅうぎゅう詰に植えこんだチューリップたちも次々と蕾を持ち上げてきており、庭はおとぎの国のような雰囲気に。ミズキや西洋ニワトコ、糖楓の新芽が美しくて。そんな光景に目を奪われながらもしっかり庭仕事、バラの追肥です。今回で冬の剪定から3度目、2.5キログラムづつの骨粉、油粕、草木灰、それからよう燐にカニ殻とくん炭、そして菌根菌をミックスしたものを株もとに入れていきます。仕上げに木酢液を薄めたものをジョーロで土の上にたっぷり撒いて完成です。これで、花後のお礼肥えまでは追肥はストップ。あとは、アブラムシやうどんこ病に気をつけながら開花を待つのみです。ふと見ると、マダムイザークペレールに大きな蕾が。鉢植えのHTにも小さな蕾をつけたものがあります。デルフィニュームも、もう蕾が見えてきました。     (燐家の桜)




2000.4.3 (もう、春)
「ヒラタアブ現る」


(シラーシビリカとビオラ 4/1)

 小さな球根たちの愛らしい花に目を奪われているうちにバラの葉がいよいよ展開してきました。バラも庭を構成する低木の一つ、みずみずしい葉は庭の大切な要素です。冬の間コニファーで緑をカバーしていたとはいえ、バラの新芽の展開で庭にいよいよ活気があふれてきました。
 その新芽の間を小さな小さな黒っぽい蜂のような虫が飛び交っています。ヒラタアブです。柔らかいバラの新芽に卵を産み付けているのでしょう。ヒラタアブの幼虫は、一見ナメクジを思わせるような半透明のからだ。この子が大変な大食漢で、嬉しいことにアブラムシたちをきれいに平らげてくれるのです。
 ビオラの花がら摘みをしていたら、ぴょこんと指にこの幼虫が乗ってきました。そっとそっと指に乗せたまま、またビオラの葉の上に戻してやります。この春も時々アブラムシの姿を見かけますが、びっしりついてしまうということは今のところありません。この幼虫くんがきっといい仕事をしてくれているのでしょう。薬を使わないからこんな天敵たちも毎年安心して早春から我が家に来てくれるのです。
 バラたちの新芽は今年もとても勢いが感じられます。バラに生ゴミ堆肥を使い出して今年で2年目。今年はさらに効果が出てくるような気がしています。

(ヒラタアブの成虫と幼虫 「趣味の園芸」1996 6月号より)


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