9月〜10月


9 10
  「堆肥作りの秘訣」
「チューリップの植えこみ」
「壁薔薇の誘引」



2001.10.16
「壁薔薇の誘引」

土曜日は、朝からの秋晴れ。庭仕事日和とはこのような日を言う。念願だった壁薔薇の誘引を行った。本来ならば、冬場に行う作業。でも、9月の台風で壁に張った針金がたわみ、ところどころ誘引してあった枝は互いにもつれ合ってかなり見苦しい状態になっていた。秋薔薇の季節にこの姿はやっぱりかなしい。作業を急いだのにはこんなわけがあった。

まず、窓枠を囲むように太めの針金を張っていく。16番のステンレス線は固く、扱いがたいへんだが、張った後のもちを考えて選んだ。前に使ったアルミ線は柔らかくて作業が楽だったが、結局、生い茂った薔薇の枝を1年支えきれなかったから。

脚立を備えるのも大仕事。薔薇の足元は、まだボーダーの植物が盛りだ。慎重に足場を選び、いよいよ脚立を登っていく。高いところは久しぶり。薔薇のための作業でなかったらまずこんなことはしないだろう。最初怖かった脚立の上も、慣れてくるとちょぴり気持ちいい。小さいころジャングルジムのてっぺんに登った感覚を思い出している。薔薇の枝を避けながら窓枠に針金を回し、ラジオペンチでしっかり端をねじる。

この針金と樋を利用して今度は少し細い18番のステンレス線を水平に張っていく。間隔は30cm弱。茂った薔薇の枝と壁の間に針金を通す作業をするうちに、腕や手はいつのまにかひっかき傷だらけになっていた。

針金の下地ができあがって、今度は楽しい誘引である。本格的に冬場にもう一度誘引しなおすとして、今回はとりあえず、今年伸びたシュートを間隔をあけて扇型に広げ麻紐で先ほど張った針金にくくりつけていく。マダムアルフレッドキャリエール(写真左側)は、夏あまり返り咲きはしなかったものの2階までシュートが伸びた。葉や枝の姿に風情があり本当に美しい。こんなたおやかさは、現代クライマーには無いかもしれない、誘引が終わり改めてそう感じた。

去年の秋のお茶会で決意した壁薔薇計画。来年の春、あのときのお客様方にこの壁を見ていただけたら、そんな思いがふっと心に浮かんで。


2001. 10. 8
「チューリップの植えこみ」

 連休の最終日。体育の日が月曜日となってから毎年雨が続いているような気がする。夕方から降り出す予報の雨が、昼頃からもう本降りになってしまった。友人が遊びに来てくれた昨日はまだ曇りだったのに。この雨を予感したわけではないのだが、夕べは、ナイター園芸を楽しんだ。チューリップの植付けだ。BBQのときに使っているクリップライトで作業場を2階から照らす。手元は明るく、蚊も騒がず、夜風はまだ寒いほどではない。先週用意しておいた堆肥入りのコンテナを運んできて、球根をぎっしりとつめこんでいく。土をたっぷりとかぶせて今度はその上にパンジーの苗を植えつけて。こうしておくと、冬の間も水やリをうっかり忘れることが無く、チューリップ達も安全に育ってくれる。チューリップとパンジーの色の取り合わせを考えるのも楽しみのひとつ。今年のチューリップは、今まで育てたことのある品種をメインに選んでみた。お馴染みだから背丈も咲く時期も計算できるのが強み。そしてまた今年は、あれこれチューリップ同士をひとつの鉢に組みあわせて植えることはせずに、ひとつの品種を9号から10号くらいの大きな鉢にぎっしり植えて豪華に咲かせることにした。冬の間の彩りは、上に植えたパンジー達。統一感を持たせるために、パンジーはひとつの品種を意識的にたくさん使った。でも、少しは冒険も欲しい。それは、今年初めて植えるとても個性的な色合いのチューリップ、ガボタとプリンセスイレーネ。合わせるパンジーの色合いが難しい。結局アプリコットシェードで試してみることに。いつもの年よりもチューリップの品種数が少なく、コンテナの数もぐんと少ない。でも、春を待つ楽しみはこの位でもいいかなって思える。

 今日は、雨の前に、ボーダーの縁取りにビオラムーンビームの苗を植えこんだ。夏越しした種からのプリムラ デンティキュラータの苗も合間に植えこんで。本当は、午後にかけて壁薔薇の下地作りという大仕事をする予定だった。そのための脚立をおととい買って来たというのに。ローズヒップを摘むのも来週に持ち越しだ。体育の日はやっぱり10日というのが正解かもしれないと思う。


今年のチューリップリスト (組みあわせたパンジー達)

ヨハンシュトラウスF1インペリアルアプリコットシェード
アプリコットビューティーF1インペリアルアプリコットシェード
アンジェリケF1インペリアルアプリコットシェード
プリンセスイレーネ F1インペリアルアプリコットシェード
ガボタ (F1インペリアルアプリコットシェード

ピンクダイヤモンド ストロベリートリコロール
クィーンオブナイト (トゥルー・ブルー





2001 10. 2
「堆肥作りの秘訣」

 雨の多かった9月。例年より涼しくなるのが早かったものの、薔薇の庭には、あっという間に黒点が広まった。台風の襲来にもあって多くの葉を失った薔薇達だったが、ようやく新しい葉が展開してきて。蕾もちらほらとあがってきた。晴れ間を見ての木酢散布、追肥と9月は祈るような気持ちで毎週末に薔薇の手入れをする。種まきや植え広げの作業も待った無し。日に日に日は短くなっていくけれど園芸家の秋はまったく忙しい。日の照っている時間があと数時間あればと思いながらの毎日の帰宅だ。

 今月はもう、チューリップの植え付けも始めておきたい。一緒に植える予定のパンジーやビオラの苗達は日増しに大きくなっている。週末に堆肥をコンテナに移す作業をした。いつでもチューリップの植付けができるように、準備である。春に漬けこんでおいた堆肥はそろそろ使い時を迎えている。蓋を開けると臭いがほとんど無く真っ黒になっていて。シャベルでかき混ぜるとふかふかとスポンジのような弾力が感じられてとても気持ちがいい。これは、夏に一度切り返したときに米ぬかを追加し混ぜておいた堆肥バケツ。米ぬかを入れた直後には、真っ白な菌糸が張っていたっけ。それが、ほんのしばらくの間にただの生ゴミ堆肥ではない、極上の培養土といった感じの代物に変化している。これだったらきっと、少量の新しい赤玉土と腐葉土を入れてコンテナの土に即使えそうだ。早速大きめの鉢にこの堆肥主体の用土を7分目入れて、家の北側の邪魔にならない場所に並べておいた。

 この日は、他のバケツも覗いてみた。夏に蟲がたくさん発生していたバケツだ。このバケツには、母が思い付きで蓋が密閉するように土や鉢などでぴっちり重石をしておいてくれていた。おそるおそる蓋を開けるとそこにはもうすっかり動かなくなった蟲達が。きっと、密閉状態におかれて外気の流通を遮断されたためだろう。今回は、そこにすかさず追加の米ぬかを振りまき、シャベルでかき混ぜておいた。もう、蟲の姿はほとんど気にならない。蟲が入ってしまったバケツというのは慨して分解が早い。夏に漬けこんだこのバケツも、もうすっかり使えそうな状態にまでなっていた。今回投入した米ぬかの働きで、きっと1ヶ月もすれば、ふかふかの培養土に変身していることだろう。

 近頃では、一時発酵にも米ぬかをふんだんに使っている。発酵促進剤とほとんど同じ効果があり、漬けこんだものはお漬物のような酸っぱい臭いがするだけだ。米ぬかは発酵促進剤よりぐっとお値段が安いというところも気に入っている。2次発酵でも、古土と一緒に投入するのは米ぬかだ。バケツの中での発酵が急速に進んでくれる。そして、上にも書いたように堆肥の弾力が違ってくる。

 チューリップのコンテナを次々に用意すると45リットルの堆肥バケツはあっという間に空っぽに。そこにまた、先月分の1次発酵させた生ゴミを古土&米ぬかとともに漬けこんでおいた。もちろん、蓋にきっちりと重石もして。貴重な休日の半分があっという間に過ぎる。が、ようやく堆肥作りの秘訣がのみこめてきた、そんな感じである。

inserted by FC2 system