庭造りの方法と参考書


失敗は成功のもと、
とりあえずやってみましょうという気持ちで
何度も試行錯誤を繰りかえしながら
全くの”園芸初心者”だった私が
ここまではまりこんで庭造りをしてきました。

そんな失敗の連続の中から学び、
心がけていることを
この章に記そうと思います。

種まきについて
色彩計画について
球根について
宿根草について
樹木について
シェードガーデンについて
庭造りの参考書一覧

各ページにも参考書を紹介しています。私の愛読書です。


種まきについて

庭造りに熱中するきっかけは、パンジーやビオラの種まきからでした。園芸店で「簡単よ。赤玉土に蒔けばいいのよ。」と見知らぬ人の一声をまにうけて。いざ蒔いてみたら、春には30センチもの大株になって咲いてくれて!味をしめて毎年蒔くうちに、種まきの愉しさにどんどんはまり込んでいったのです。
さて、その種まきの利点とはどのようなことでしょうか。
1.小さな種から大きく育てる愉しみが味わえること。つまり生命を育む喜びですね。
2.まだ、園芸店に並んでいない品種を咲かせることができること。
3.たくさんの苗を得ることができること。
3番については、もちろんたくさんできすぎて困るというご意見もあるかと思います。でも、たくさんできれば、例えば本格的なハンギングバスットにも惜しげなく使えますね。また、デルフィニュームのように難しいものでもたくさんできた苗を庭のあちらこちらに”試しに”という気持ちで植えこんでおけば、どれかはうまく環境があって立派に咲いてくれることもあります。
種は通販を使って入手しています。通販のカタログが届いてすぐに申しこんでおかないと、新種の種などは売り切れてしまうこともしばしばです。
さて、苦労して得た種をうまく発芽させるにはコツがあります。それは、種を入手したら必ず蒔く直前まで冷蔵庫に入れておくこと、それから、覆土の有無を必ず種袋で確かめること、発芽まで絶対に土を乾かさないことの3点です。それでもうまく発芽しない場合は種が悪かったと思ってあきらめます。(笑)
ただし、種まきには、落とし穴がありました。それは、色彩計画がめちゃくちゃになリがちということ。あれもこれもと欲張って蒔くうちに、いつのまにか庭はとりとめの無い色彩であふれかえって。特に、きついオレンジ色には要注意。マリーゴールドを育てた時の教訓から、私は自分の庭の色彩計画からはみ出た色の種は入手しないよう厳重に心がけています。
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おすすめ参考書 
「コンテナ花壇私流」大沼田鶴子著 農文協  
私は、種まき園芸のこつのこつをこのご本から会得しました!種の入手法から苗作り、花の飾り方まで実践的な工夫が盛りだくさん。大沼さんの運営されているHP”Zephyrusだより”も必見です。


色彩計画について

カラースキムとも言われていますが、単なる個々の花の色合わせではないというところに気付くまで、大変な時間を要しました。
まず、基調色についてですが、うちの場合は今はブルーと白と決めています。ブルーや白は、たくさんあっても決してうるさくなることはありませんし、他のどんな色とでもシックな感じで調和してくれることがその理由です。特にブルーの花は少ないので、何かブルーで美しいものを見かけたらすかさず入手するようにしています。例えば、タマクルマバソウニゲラミスジェイキルアガパンサスラベンダーセイジビバーナムティナスなどです。
そしてあとは、コーナーごとに、主となる色合いを決めています。例えば、南は赤、西は黄色、出窓下のボーダーはピンクというように。
しかし、いくら入念に色合いを定めても色であふれかえった庭は、けっして安らげる庭とはなりません。多すぎる色は、人を疲れさせるのです。そこて、背景となるグリーンがたいへん重要となってきます。うちでは後で述べる樹木とカラーリーフを意識的に取りいれるようになりました。とくに斑入りや銅葉、黄金葉などのカラーリーフは、花が少ない時期に大切な庭の要素となってくれます。これらの変化に富み滴るような緑の中でこそ、花々の美しい色合いが冴えるのです!
色彩計画を考えるにあたっては、他に、植物のテクスチャー(質感)や葉の形なども重要です。これらは、自分で組合せを考え出すにはなかなか難しいので、バラクラを訪れたときや本や雑誌を見ていていいなあと思ったものを丸ごと真似してみるようしています。いろいろ試していくうちにその中から自分の庭と感性にぴったりの組み合わせが庭の中に必然的に残っていきます。
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おすすめ参考書 
「小さな庭のフラワーガーデニング」 奥峰子著 文化出版局
何と何を組みあわせるか…。庭造りの醍醐味は、植物の合わせ方を考えることに多きがあると思います。この本では単なる植物の紹介にとどまらず、何と何を組み合わせるべきなのかというお手本・定番がたくさん紹介されています。私の庭でもその通り丸ごと試してみた実例がたくさん。花は単体でなく組合せで楽しむものだと言うことを私に教えてくれた本です。


球根について

”庭の約束”、それが球根です。私の庭には膨大な量の球根が植えられています。どれも、植えた本人がたとえ植えたことを忘れていたとしても、毎年必ず律儀に芽を出して、それぞれの季節に存在感のある美しい花を咲かせてくれます。
ボーダーには、植えっぱなしでも咲いてくれるものを特にたくさん植えています。例えば、チオノドクサシラ水仙ブルーベルユリなどというように。例外は、チューリップ。この花だけは地植えを少なくし、コンテナに他の草花と寄せ植えするようにしています。花後の葉がどうしても見苦しく、また、植えっぱなしでは美しい花を翌年も愉しめる保証が無いからです。
球根類は、どうしても花後の葉が枯れるまでが気になります。そこで、隣に球根の開花後、大きくなって球根の葉を隠してくれるものを意識的に植えています。自然に主役が交代して、ボーダーの美しさが保たれると言う計算です。
それから、花後に草木灰をお礼肥えとして与えておくことが、「葉ばかり茂って花が咲かない」という悩みを解決するためのひとつの方法でしょう。
ムスカリのような小さな球根は、ばらばらと豆まきのようにボーダーにばらまいて、自然のお花畑のように咲かせるのも楽しいです。
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おすすめ参考書 
「プラントフォトガイドシリーズ球根草花図鑑500」 英国王立園芸協会編 日本ヴォーグ社
このシリーズは、とにかくおすすめです。写真と共に、耐寒性、日当たり、高さ、広がり、植え付け方などが紹介されていて便利のひとこと。なんだかよくわからないものを入手してしまったときなど、おおよその育て方を調べることができて、私にとって必携の書です。


宿根草について

宿根草はたいへん重要な庭のアイテムですね。薔薇の名脇役であるクレマチス。後でも紹介しますがシェードガーデンの代表選手であるホスタ。それから、冬から春にかけてかかせないのがクリスマスローズ。これらは、何年もかけて大株に育っていくのを楽しみます。
そして、ジギタリスデルフィニュームなどの背の高い花々も忘れてはいけませんね。この2種は、本来ならば宿根草ですが夏越しが難しく、2年草として毎年種を蒔いて育てています。
毎年秋を彩ってくれるセイジたちも大切な庭の住人です。耐寒性が弱いものが多く、秋に挿し木してフレーム内で越冬させるか、寒さのよけられる家の壁際に植えて露地で越冬させています。
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おすすめ参考書
「プラントフォトガイドシリーズ宿根草多年草図鑑1000」 英国王立園芸協会編 日本ヴォーグ社
上記の球根図鑑と同じシリーズです。文字通りの図鑑ですが、めくるめくような宿根草の数々にただ眺めているだけでも楽しくなってしまいます。



樹木について

種まきから始まった私の庭造りですが、球根、そして宿根草と庭のアイテムが増えるにつれ、だんだん確固とした骨格が欲しくなってきました。そこで、まず導入したのが、低木たちです。
黄色の斑入りの葉が冬も美しいアオキサルフレア。白の斑入り葉が美しい矮性ミズキのコルヌスアルバエレガンティシマ。西洋ニワトコ(エルダーベリー)の斑入り種マドンナ。斑入りのグミギルドエッジ。それから斑入りや黄金葉のヒイラギをいろいろ。スモークツリーも忘れてはいけませんね。
薔薇の後、庭の主役をつとめるアジサイたち。とくにアナベル柏葉アジサイは大好きな花木です。
最近、見つけたビバーナムティナスという冬に青い実のなる低木。鉢で大切に育てて庭におろす予定です。
そして低木の次は、なんといっても庭に高さと緑陰をもたらしてくれる高木たちの出番です。
黄金の葉が春から秋まで美しいハリエンジュフリーシア。白い樹肌が魅惑的なシラカバジャックモンティ。評判の斑入りミズキコルヌスコントリバータバリガエータの幼苗も植えてみました。
樹木の良さは、草花とは違った存在感とそのもたらしてくれる季節感でしょうか。そして、ほんの数週間庭を彩ってくれる様々な草花たちの背景となって、庭をさらに奥深いものにしてくれます。
ただし、樹木はいったん植えたら、簡単には植えかえるというわけにはいきません。梅雨時の毛虫に悩まされて抜く羽目になった山茶花の生垣にはたいへんな労力を強いられました…。樹木が育ってからの日照などもよく考えぬき、庭作りの方向性もしっかり定まってから樹木を選んでもいっこうに遅くないと思っています。
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おすすめ参考書 
「庭木図鑑450」 「低木とつる植物図鑑1000」 英国王立園芸協会編 日本ヴォーグ社
「コンテナ・庭を彩る四季の花木」NHK出版
いずれもたくさんの樹木を網羅していてとても参考になります。樹高や、広がりなどもよく調べてから植えつけたいものですね。



シェードガーデンについて

樹木が育ってくると、どうしても日がよく当たらない場所が年々広がっていきますね。でも、ご安心あれ。植物の中には、日当たりのよいところではかえってよく育たないシェード向きのものもたくさんあるのです。
早春の庭に彩りをくれるクリスマスローズ。春から秋にかけて、存在感のある美しい葉が魅力のホスタ
ユリとその名脇役であるアスチルベ。グランドカバーとしてたいへん優秀なアジュガ。日本の美しい植物であるツワブキ。スカルプチュアプラントとして、たいへん迫力のあるアカンサス。そして。忘れてならないのは、アジサイたち。
これらのたいへん魅力的な植物たちは、みーんな木漏れ日のような半日陰が大好きです。そして、花時以外でも葉の形や斑に特徴のある美しいものばかり。
私の庭の西側ボーダーも、ハリエンジュフリーシアの成長に伴って、半日陰の部分が多くなってきました。そこで、一面に植えたのがクリスマスローズオリエンタリスの小苗たち。何年か後には、大株に育って早春を彩ってくれることでしょう!庭のどんな場所にも、その場所に適した植物が必ずあるもの。試しにという気持ちでいろいろ植え付けてみれば、どれかがきっとその場所を気に入って、毎年立派に育っていってくれるのです♪
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おすすめ参考書
「日陰の庭のシェードガーデン」 奥峰子著 文化出版局
まだ、シェードガーデンという言葉が一般的ではないころにこの本が出版されました。半日陰が大好きな魅力的な植物たちに魅了され、この本に載っていた植物たちを次々に導入していきました。日向の植物とはまた違ったシックな表情にたいへん惹かれます。



庭造りの参考書一覧

みなさん、ご存知の本ばかりだと思いますが、たくさんの園芸関係の本の中から、特によく取り出して使っている本、庭づくりをする上で大きな影響を受けた本を厳選して紹介しています。

【図鑑として育て方や高さ耐寒性などを調べるときに便利な本】
英国王立園芸協会編 プラントフォトガイドシリーズ 日本ヴォーグ社
「バラ図鑑300」
「多年草図鑑1000」
「球根花図鑑450」
「庭木図鑑450」
「つる植物と低木図鑑1000」

「コンテナ・庭を彩る四季の花木」NHK出版
「ハーブ図鑑110 栽培と利用法の実践ガイド」 レスリー・ブレンネス著 日本ヴォーグ社

(各社発行のカタログもいい資料です↓)
「デイビッド・オースチン バラのハンドブック」 ローズオブローゼス社発行
「クレマチス」 春日井園芸センター発行
「園芸世界」 改良園発行
「園芸新知識」 タキイ発行
「園芸通信」 サカタの種発行

【庭造りのお手本として植物の選定や組み合わせがとても参考になった本】
「小さな庭のフラワーガーデニング」 奥峰子著 文化出版局
「日陰の庭のシェードガーデン」 奥峰子著 文化出版局
「ターシャチューダーのガーデン」 トーヴァ・マーチン著 文芸春秋
「ハーブが香る コティジガーデンの食卓から」 広田せい子著 文化出版局
「英国式ガーデンライフ」 ケイ山田著 主婦の友社

【堆肥づくりの参考書】
「土作り入門 有機栽培・無農薬を基本にして」 主婦と生活社
「家庭でつくる生ごみ堆肥 よくある失敗防ぐポイント」 藤原俊六郎著 農文協

【バラの庭づくりの参考書】
「薔薇の園を夢見て オールドローズとつる薔薇の庭づくり」 婦人生活社
「オールドローズガーデン」 梶みゆき著 小学館
「カラー図鑑 バラの育て方 よくわかるバラの栽培12ヶ月」 鈴木省三著 成美堂出版
「ばらに贈る本」 鈴木省三著 婦人の友社
「よくわかる栽培12ヶ月 つるバラ」 村田晴夫著 NHK出版
「つる薔薇の庭 入門編」 村田晴夫著 成星出版
「つる薔薇の庭 応用編」 村田晴夫著 成星出版

【子どもと一緒に読みたい本】
「ぼくの庭ができたよ」 ゲルダ・ミューラー作 文化出版局
「キッズのための50のガーデニング」 クレア・ブラッドレイ 著 マルモ出版



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