冬の作業 米ぬかと剪定枝でマルチング


微生物や土壌生物でいっぱいの生きた土づくりは、
まず、冬が始まりです。
その作業の実際を紹介します。


 2004年12月28日。つるバラの整枝と、ブッシュローズの仮剪定を行いました。毎年暮れに、庭をすっきりとさせてお正月を迎えます。まだまだ葉が茂り、蕾も付いている薔薇達を、ここで強制的に休眠させてしまいます。

 たくさん出た剪定枝は、鋏でちょきちょき細かく切って、バラの花壇一面に撒いていきます。

庭のシラカバやフリーシアの落ち葉も、一緒にマルチ。

マルチする前は、去年撒いた有機物はすっかり分解されて、ころころ団粒化した土が露出していました。

マルチした、未熟な剪定枝や落ち葉に、土着菌がたっぷりと集まってくると考えています。

また、この剪定枝や落ち葉などの有機物が作り出す空間が、土壌生物たちの棲みかとなります。

もしかしたら、害虫たちをやっつけてくれる天敵も、棲み付いてくれるかもしれません。

そう言えば、有機物マルチをたっぷりと施した2004年の春は、ゾウムシがとても少なかったのです。

剪定枝は、やがて分解されてバラの肥料となります。自分の体から作られたこの堆肥は、母乳のようだという人もいます。

葉っぱも枝も、一緒に撒いています。黒点がついた葉もありますが、構いません。消毒はしていないので、土には普通に黒点病の菌がいるでしょうに、葉だけ除いてもおそらく同じことでしょうから。そして、多様な菌が棲む庭では、黒点病の菌だけが一人勝ちするということは無いのではという期待もしています。




次は、米ぬかをぱらぱらと、剪定枝のマルチの上から撒いていきます。

このとき、今年は、カニガラ・コンブペレットなども一緒に撒きました。

カニガラは、放線菌を増やします。

コンブペレットは、海のミネラルをたっぷりと含み、微生物を元気にします。

いわゆる冬の元肥と言われるような油粕や骨粉は撒きません。もちろん穴を掘って埋めることもありません。

上から、有機物と米ぬかを撒くだけの不耕起栽培なので、とてもラクです。

人が耕さなくても、微生物や土壌生物たちが、1年かけて上から土を耕してくれるのです。

そのため、庭中、ほくほくの団粒化した土になっています。




仕上げに、良質な堆肥で上からさらにマルチします。

微生物たちが働くためには、適度な湿度と通気、そして、紫外線から守ってやる必要があるのです。

そのためのおふとんのような働きをしてくれるのが、堆肥のマルチ。庭の美観も保てます。蕾を持ち始めたクリスマスローズの葉が、くっきりと映えて。

最後に、木酢液を500倍くらいに薄めて、たっぷりと上から潅水します。

葉にかかった米ぬかを洗い流しながら、撒いた米ぬかをしっかりと土になじませます。これで、少しはすずめもつつきにくくなるでしょう。

すずめが来ても、それは、菌のためにはかえってよいことなんですけれど。

さて、白い菌糸が出たら、またご報告しますね!





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