木酢液のこと


無農薬でバラを育てる上で
化学農薬の替わりに
バラを病気や害虫から守ってくれる保護液が木酢液です。
化学農薬のように即効性はありませんが
長い月日をかけて
継続して散布すると
じわじわと効いてきて
バラが丈夫になるのです。


木酢液について

今や、とてもポピュラーになった木酢液ですが、私の場合、ニンニクを漬け込んでおいて散布します。漬ける量は、木酢液1リットルに対して100グラムほどのニンニクを一個ずつほぐして入れます皮付きのままでも、半分に切って入れても大丈夫です。3ヶ月ほど漬けこんでから使用するのが基本ですが、急ぐときは漬けこんで2週間ほどからでも使用しています。漬けこんですぐは強烈な臭いがしますが、だんだんまろやかになってきておいしいにおい(?)に変化していきます。

漬け込んでおいたニンニクは、元肥などといっしょにバラの株元に埋め込みます。ニンニクパワーで、その後の生育がとても良くなるように思います。

木酢液は、季節によって散布濃度を調節することが大切です。特に春の芽出しの時期は、100倍以上で撒くのが安全。それより濃いと新芽が縮れてしまうことがあります。夏から秋にかけては50倍が基本です。冬の剪定・誘引時には、20倍くらいの濃いものでも大丈夫。これは、うどんこ病の予防に効果的です。

ただ、2003年くらいからは、木酢液の葉面散布はほとんどやめてしまいました。そのかわりに、米ぬかと一緒に土壌散布をしています。木酢液は、土壌の微生物を元気付けるのにも役に立つのです。

木酢液のその他の利用法としては、生ゴミ堆肥にかけておくと臭いがおさまります。木酢液は土の中の微生物の活動を活発にさせるのです。また、根にこぶを見つけたとき、こぶを取った後で原液に近いものをたっぷりかけてみたところ、なんと回復してしまいました。つるバタースコッチは、この方法で以前より元気に四季咲きするようになったくらいです。
(画像は、見事に復活したバタースコッチ)



その他の保護液
1999年の春から”ニュー碧露”という漢方の植物保護液を使い始めました。庭のバラにどうしてもでてしまう黒点病対策です。以前は、にんにく木酢液の500倍液&碧露1000倍液5リットルほどを週に1回程度散布していました。しかし、碧露と木酢のブレンドだけでは、ある程度の効果はあるものの、満足のいくほどには黒点を抑えることはできませんでした。
2001年BIESE6月号で梶みゆきさんの無農薬栽培の取り組みが特集され、その中にウコンを使うといいという話があったので、早速木酢液に漬けこんで使ってみました。木酢液がだんだん碧露のようないい香りになりいかにも効きそうな感じです。そこで、2001年は、BIESE誌に掲載された梶みゆきさんのレシピを参考に春の開花後から、碧露1000倍、ニンニク・ウコン木酢液50倍、唐辛子エキス(唐辛子を焼酎に漬けたもの)500倍をブレンドして週1回撒いています。今のところ、黒点病の発生が例年に比べてとてもおとなしく効果を感じています。米ぬかの散布で土が団粒化してきたことも影響しているのかもしれません。いつもだったら残っている葉が惜しくてなかなかできない伸びすぎたシュートの刈りこみが思いっきりできてとても嬉しいです。

以下が、梶みゆきさんのレシピを参考にした、2002年の散布計画です。

1〜2月 
にんにくを漬け込んだ木酢液20倍+ウコンエキス(ウコンの焼酎漬け)100倍+碧露1000倍を、剪定誘引時に1〜2回。ウコンエキスは、ウコン茶のティーバックを使うと簡単に作れました。

3月〜4月
新芽の展開時、にんにく木酢液100倍+碧露1000倍を2週間に1度程度散布。

4月蕾が見え始めてから5月の花時直前まで
にんにく木酢液100倍+唐辛子エキス(唐辛子の焼酎漬け)500倍+碧露1000倍を週1回。唐辛子エキスは、バラゾウムシに効果があります。

6月〜9月
にんにく木酢液50倍+唐辛子エキス500倍+碧露1000倍を1週間に1回。うこんエキスも時々ブレンドします。この時期は、早朝・または夕方、そして雨上がりがまくタイミングです。

10月〜11月
秋が深まった10月以降には、上記のブレンドで月1〜2回程度の散布に。

ただし、この保護液も、2003年くらいからほとんど撒くのをやめてしまいました。天敵や土壌微生物のバランスがだいぶ整ってきて、保護液の必要をほとんど感じなくなってきたのがその理由です。また、2007年の秋には、この保護液に実は、農薬が混入されていたとのニュースが流れました。”オーガニック”と謳っていても、農薬の替わりに保護液を撒いて天敵も害虫も無差別に殺してしてしまうという発想から出発してしまうと、やはり危ないのだなあと感じています。


ニームオイルについて
上記の保護液の散布でも、今までどうしても制御できなかったのがバラゾウムシでした。
2002年4月、takasiさんにお会いする機会があり、ゾウムシ対策についてお聞きしたところ、ニームオイルが良いとのお話。早速いつも行く園芸店(マリ○ポサ)で”虫追い祭り”という商標のニームオイルを買ってきました。ラベルの指示どおり300倍に薄めて散布したところ、翌々日にはゾウムシの被害はほとんど無くなったのです。効果の高さに驚いてしまいました。
ニームオイルは、インドセンダンという樹木の実から採った天然のエキスです。インドでは民間薬として古代から用いられたとか。オイルという名のとおり、どろりとした液体で、温度が低いと固まってしまいます。展着剤と一緒に散布すると効果的、木酢液やキトサンと混ぜて撒いてもよく展着剤のかわりをしてくれるそうです。その場合、木酢液は500〜1000倍がよいそうです。薬害を防ぐために夕方日が落ちかけたころに撒くのが安全とも。また、日光で分解する性質があるのでやはり夕方撒いた方が効果があるそうです。ゾウムシだけでなく、アブラムシなど草食性の虫に拒食効果、脱皮阻害効果があり、天敵には影響ないというので安心ですね。ウドンコ病にもよく効くそうです。臭いが問題になることもあるようですが、にんにく木酢液の臭いに慣れてる私としてはまったく平気というレベルでした。かなり心強い無農薬栽培の助っ人と思います。
ニームオイルは、バイオゴールドから噴霧器のつまりも無く、また薬害も出ないものが発売されています。このニームオイルは、たいへん使いやすく効果もあり、お勧めです。
ニームの食品としての安全性は、国の機関でも確認されており、世界各国のオーガニック栽培でも広く利用されています。
↓厚生労働省『食品に残留する農薬等に関する新しい制度(ポジティブリスト制度)について』W対象外物質について 参照http://www.maff.go.jp/syoku_anzen/20060518/sankou1.pdf
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