米ぬかパワー3


米ぬかパワー2では、
米ぬかによる防除についての私の考え方と
実際の作業について具体的にお話ししました。
このページでは、特に鉢バラに米ぬかによる防除を試みる場合について
さらに詳しく紹介していこうと思います。


 鉢栽培では、基本的に地植えに比べて黒点病などの病気にかかりにくいと言われています。それは、雨に直接あたらないような場所を選んで育てることができたり、土の跳ね返りが少なかったりするためです。
 私も、何株ものバラを鉢で育てていますが、確かに地植えのものよりは、病気にかかりにくいと感じています。しかし、何にもしないで育てて大丈夫かと言えば、そうとも言えません。
 若い株は特に春先のうどんこ病に要注意。バラを育て始めたばかりのころは、このうどんこ病によく悩まされました。
 ところが不思議なことに、今ではうどんこ病はほとんど発生しなくなっています。手に入れたばかりの若い株さえも、葉がよれよれになってしまうと言うことはほとんど無くて。
 様々な要因がそこにはあると思うのですが、その中でも特に効果的と感じているのが、米ぬかと堆肥によるマルチです。

【実際の作業】
 
@ 私は、基本的に毎年鉢バラの植え替えを行っています。用土は、バラ用として売られている培養土を基本として、赤玉土や上質の堆肥などを混ぜて水はけなどを調整して使っています。植え替えは、年内の方が根の発達のためにはよろしいそうですが、年末はどうしても忙しいので、毎年元日に行うことにしています。(働く主婦にとって元日は、自由になる時間が一年中でもっともたくさんある日なのです!)
 植え替えを終えた鉢に、まず、米ぬかをうっすらと鉢土の表面全体を覆う程度に撒きます。そしてその上から、わら堆肥で厚めにマルチ。そして、木酢液を100倍以上に薄めたものをたっぷり潅水します。しばらくするとマルチの下では、まだ寒いうちからでも白い菌糸がしっかりと張ってきます。堆肥が菌の生育に適した湿度と温度、そして通気を保ってくれるためなのです。米ぬかと堆肥マルチの併用が鉢栽培でもポイントとと感じています。

A さて、植え替えで大切なのは、米ぬかパワー2でもお話したようにウォータースペースをきちんととっておくこと。米ぬかでマルチすると、どうしても表面が、最初、がちがちに固まってしまうのです。そのため、水遣りしてもなかなか水が染み込まなくて苦労することに。でも、ウォータースペースさえちゃんととっておけば、そこに水がたまり時間をかけて吸水していって。
 ただし、がちがちになった表面は、不思議なことにしばらくするうちに驚くほど水はけがよくなります。これは、おそらく菌が上から土を耕してくれたということなのでしょう。

B 春先になって、葉が展開を始めたら、週に1度くらいのペースで”米ジョー”します。木酢液とバイ○ゴールドの液肥とともに米ぬかを溶かしたものを潅水するのですが、レシピは米ぬかパワー2で紹介したとおりです。これをシーズン中ずっと行いますが、夏の特に暑い時期は様子を見て控えるようにします。

 たったこれだけのことなのですが、うどんこ病、そして黒点病の防除については、去年一年間やってみてある程度の手ごたえを感じています。

 さて、米ぬかと堆肥ですが、上のやり方以外にも、次のような方法でのランデブーも有効なのではないでしょうか。

@ 米ぬかと良質の堆肥、できれば善玉菌を含んだ堆肥を、米ぬか1対堆肥5くらいの割合でよく混ぜ、ほんの少し水で湿らせて(強く握り締めたときに手に水気を感じる程度)ビニル袋などに入れて寝かせておきます。米ぬかの割合は、慣れてきたら、もう少し増やしてもよいと思います。
A 1〜2週間で、ふわっと発酵したような匂いがしはじめ、白い菌糸がところどころに見えたところで、鉢のマルチングに使います。
B しばらくして、菌糸が見えなくなってきたなと感じたら、堆肥の上から米ジョーします。


 @の段階で、EM菌を足したり、カニガラや炭など善玉菌が好む資材をいっしょに入れて寝かしておくのもおそらくよい工夫でしょう。
 
 上の写真は、ボリジさんが実際にこのような方法で鉢にマルチされて発生した菌糸の様子をTea Timeに貼ってくださったものです。白い菌糸は、堆肥の下、鉢土との接触面で見られたとのこと。
 このように、米ぬか&堆肥マルチの下、鉢土との接触面では、善玉菌や小動物たち(クモや土ダニなど)が盛んに活動する環境が整います。善玉菌はうどんこや黒点などの病菌を防ぎ、小動物たちは土をよくしたり天敵となってバラを守ってくれることが期待できます。
 
 もともと防除がしやすい鉢栽培。このような工夫によって、みなさんのオーガニックなバラ栽培が少しでも前進できればと願っています。

 ※追記です

 ビズで米ぬかパワーの成果を発表して以来、鉢栽培でも米ジョーを試みる方が増えました。
 ところが困ったことに、かえって根ぐされなどでバラを弱らせてしまう結果になってしまうという報告も入ってきたのです。
 鉢は、とても限られた環境です。その中に未熟な米ぬかが大量に入ってくれば、腐敗にも陥りかねません。
 鉢に米ジョーするときは、高温期は厳に避け、土の状態を見ながら、最初は特に控えめにというのが大切だと痛感しました。
 米ジョーのペースも、鉢の米ぬかが分解されて見えなくなってからというので十分です。鉢土の分解力に合わせて、様子を見ながらなさってみてください。
 また、米ぬか発酵肥料を作れば、あらかじめ発酵させてあるので、鉢に施しても根ぐされなどは起きにくいと考えられます。
 もちろん、これも、あまりに多量に施せば、害も出てくるでしょうが。
 何事も、過ぎたるはなお及ばざるが如し…気をつけてやっていきたいものですね。^^;
 

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