8月の作業

庭の様子

梅雨が明けると、
庭は、蝉の声に包まれます。
梅雨明けをテレビのニュースが報じる前に、
彼らは、そのにぎやかな声で夏の到来を知らせてくれて。
こうなると、もう、
日中は庭でのんびりというわけにはいきません。
どうしてもしなければならない作業は、
早朝か日が落ちかけた夕方に。
朝夕の水遣りもなかなかの重労働。
でも、大きく育った落葉樹は
気持ちのよい木陰を作ってくれて。
室内から眺める庭の緑は
涼しげに風にゆれ、
暑さ疲れが少し癒されます。



すっかり緑に包まれた庭に、
ほんの少し色味や変化をというときは、
コンテナに葉物や夏の植物を寄せ植えにして。



少し涼しい木陰のボーダーには、
なんでもない白いインパチェンスを
あちらこちらに植えこんでおきます。
シックな色合いのコリウスをなど合わせておくと
涼しさが感じられ
しかもローコスト、ローメンテナンスです。

生き物たちの様子

暑い夏には、
枯草菌がいっきに元気になります。
名前の通り、枯れた草などの有機物をを分解してくれる働き者。
庭に敷き詰めていた有機物のマルチは、
この菌とそれからダンゴムシなどの小動物たちの働きで
あとかたもなく分解されていきます。
この分解された有機物をえさに、
秋にはまた乳酸菌や酵母菌などが元気になり、
庭を一気に肥沃にしてくれるというわけです。

枯草菌は、暑いのが大好きです。
ですから、夏は暑いほうがよいのです。

夏に冷害などで不作になると、
その翌年もまた不作になると言われています。
「不作は、2年続く」

寒い夏には、思うように有機物の分解が進まないためなのかもしれません。

枯草菌は、納豆菌の仲間です。
納豆菌と同じようにねばねばの物質を出し、
細かい土の粒同士を固めて土を団粒化させる働きがあります。



ひと夏を越すと、
マルチの下の庭土は、
まるで赤玉土でも撒いたかのようにきれいに団粒化しています。

今月の作業

酷暑のこの時期、
唯一の作業でしかもたいへんなのが
朝夕の水遣りです。
まだ日が強くない早朝の6時〜7時の間に
毎朝たっぷりとあげるのがベスト。
夕方も、日が落ちて涼しくなったころ
鉢を冷やすのを目的に水遣りした方がベターです。
自動潅水装置が設置できれば、
早朝5時と夜8時にセットするのがお勧めです。
熱帯夜を少しでも涼しく過ごせますから。
鉢バラは、晴れていれば潅水は欠かせませんが、
庭植えのバラは、しっかり根付いているものであれば
多少暑さが続いても
水やりしなくても大丈夫です。

追肥は、まったくあげないということはなく、
少し控えめにではありますが、
いつもの発酵肥料をあげます。
特に葉を落としてしまったバラには、
追肥をすると、また新しい葉を展開してくれます。

夏の間は、花は休ませます。
咲かせてしまうと株の体力が消耗しますし、
花も小さく見栄えがしないことが多いからです。
つぼみがついているのを見つけたら、
指先でピンチを繰り返します。

あとは、いつもどおり、
カミキリムシやコガネムシの被害にあっていないかどうか、
こまめに見回ります。
10日おきくらいにニームオイルを撒いたり
希釈液を潅水したりすることも続けた方がよいでしょう。
もちろん、曇りの日か、早朝や夕方をねらってですが。

朝夕に少し涼しさを感じるようになったら、
季節の変わり目
米ぬか撒きの時期です。
東京ですと、大体8月の下旬頃。
秋の花に向けて、
追肥をするのも、ちょうどこの時期です。

8月の末から9月のはじめにかけて、
庭一面にうっすらと米ぬかを撒き、
発酵肥料で追肥をしておきましょう。
庭の善玉菌が元気付き、
季節による微生物のリレーが活性化されます。
土ごと発酵を促すだけでなく、
黒点病や、秋口のうどん粉対策にもなります。

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