4月の作業

庭の様子

植えっぱなしの原種チューリップがムスカリと共に咲き、庭は本格的な春を迎えます。



バラの葉は、一年で一番美しい季節・・・花色と同じように、つやも葉色も様々です。



うどん粉病が気になる季節なのですが、
米ぬかオーガニックの庭では、ほとんど心配ないのが不思議なところ。
バラの葉の美しさをたっぷりと楽しみながら、開花までのこの1ヶ月を心待ちに過ごします。





生き物たちの様子

アブラムシがそここに現れ始めると同時に、
ヒラタアブの幼虫が庭のあちこちにお目見えします。



上の写真のようにひらめのお刺身のような感じの
透き通った体のヒラタアブ幼虫くん。
ヒラタアブのお母さんは、早春のまだ寒いうちから活動を始め、
アブラムシのコロニーができそうなところをちゃんと選んで
下の写真のような小さくて白い卵を次々と産み付けていきます。



アブラムシをテデトールするときに、
ヒラタアブの卵や幼虫を間違って一緒にとってしまわないようにご用心!

シジュウカラは、巣作りを終え巣箱の中で卵をじっと温めています。
巣箱の中から小さなさえずり声が聞こえたら、卵が孵ったという証拠です。
巣の中を見たくても我慢してそっと見守ってあげてください。



今月の作業

春先から初夏にかけて、
昼夜の寒暖の差が激しいときには要注意。
うどん粉病が発生しやすいです。
ところが、米ぬかオーガニックの庭では、健康に育った成木は、ほとんどうどん粉病にかかりません。
ただし、新しく入手した若い苗や、生育がかんばしくない株は、発生することがあります。

米ぬか花さか爺さん撒きを春先に引き続き、うっすらと
10日〜2週間に一度位行っておくと安心です。

それでも、うどん粉病を見つけたら、早めに処置をします。

ほんの数枚の葉でしたら、
米ぬかを直接葉にすりつけて指でこすると消しゴムで消すようにきれいになります。

株全体に広がってしまったら、
濃い目の米とぎ汁に砂糖を3パーセント程度溶かし霧吹きでシュシュします。

このような方法でいったんうどん粉が消えてもまた出てくる場合があるので、
気をつけて再び同じように処置します。
善玉菌に守られたうちのような庭では、
このような簡単な処置だけでも
うどん粉病をコントロールすることができるのです。

アブラムシに対しては、テデトールや牛乳スプレーなどが効果的です。
でも、ある程度生態系のバランスができあがってくると
天敵たちに任せておくだけで、花時には、ほとんど姿が見えなくなります。

アブラムシの天敵は、

1 ヒラタアブの幼虫
2 テントウムシの成虫とその幼虫
3 アブラバチ
4 クサカゲロウ
5 カマキリの幼虫

などが代表的なものです。
早春から上記のような順番に現れてバラを守ってくれます。
シジュウカラたちも、くちばしですくうように
アブラムシのコロニーをついばんでいる姿を
ちょくちょく見かけます。

それでは、4月〜5月にかけてオーガニックな庭で活躍してくれる
頼もしい天敵たちをご紹介しましょう。

ヒラタアブの幼虫が、見事、アブラムシに喰らいついているところです。


ヒラタアブのさなぎ しずくの形をしています。



テントウムシが、アブラムシをくわえています。






こちらも、旺盛にお食事中のテントウムシ。



テントウムシのカップルです。


その少し後、近くに黄色の卵が産み付けられていました。






黄色の卵が孵りました。最初は黒くてちょっとグロテスク。


テントウムシの幼虫です。少し大きくなりました。


テントウムシは、アブラムシ以外の虫も食べます。
これは、小さな芋虫に喰らいついているところ。






バラの葉の上で丸まって、さなぎになろうとしています。


この子が、数日たってさなぎになったところです。

(ジュノーの葉の上で)

こんな光景を庭のあちらこちらで見るようになります。

(グレイス)

雨の季節を迎えてもまだまだ。



こちらは、アブラバチに寄生されたアブラムシのマミーです。


金色や、黒い色のものあります。
つぶさずにそっとしておくと、どんどん天敵のアブラバチが増えて、アブラムシを退治してくれます。






これもアブラムシの天敵の、クサカゲロウの幼虫。
卵は、優曇華の花として有名です。




黄色いテントウムシですが、この子は、うどん粉病菌を食べてくれます。




ハナグモは、バラの番人。バラゾウムシの数少ない天敵でもあります。



このように、花時まで、たくさんの天敵たちに守られるバラの庭ですが、
バラゾウムシだけはやっかいです。
しおれた葉や蕾を見つけたら即摘み取り、
絶対に地面に落としてはいけません。
卵が産み付けられている可能性があるからです。
毎日、早朝見回りをし、
テデトールするのが基本です。
小さな体をつまもうとしても、
ぽろっと落ちて逃げられてしまうことが多いので
手のひらで受け皿を作っておいてから捕まえましょう。
ニームオイルを定期的に散布すると
個体数を減らせます。
ゾウムシにやられる蕾が摘蕾と考えられるくらい
大量の蕾をつけてくれるよう
健康にバラを育てられたら最高です。

多肥を好むものには、今月も追肥をします。
発酵肥料を一握りほど、株もとの土に入れます。
いつものように塊で浅めに入れて、土をかけておきます。

発酵肥料は、今月もまだ作ることができますが、
そろそろ虫が入りやすくなりますので、要注意です。
6月に与えるお礼肥用に、仕込んでおくのもよいと思います。
シュートを得るために窒素分に配慮するとか、
夏場の虫除けとなるようニームケーキを材料に加えるなど
いろいろと工夫するのも面白いと思います。



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