11月の作業

庭の様子

秋晴れの穏やかな日々が続きます。

深まる秋とともに
花色も深まって。


(晩秋のコーネリア)

春の花とは違い、咲き方はまばらですが、
独特の美しさを秋のバラはもっています。

花が終わるとバラは静かに落葉を始め、
気がつくと、春に咲く筈の小球根たちの青い葉が
ぎっしりとボーダーをうめていて。

クリスマスローズの葉が元気よく芽吹き、
庭の木々が一雨ごとに黄葉し、
庭は、冬支度に入ります。

生き物たちの様子

このところの温暖化が原因でしょうか、
11月に入ってもまだ芋虫やら、アブラムシが目にとまります。
でも、彼らも冬を目前に、やや戸惑っているかのよう。

虫たちの賑わいに替わって、
庭に小鳥たちがやってくるようになります。

赤く色づいたバラの実をついばんだり、
バラの葉にしがみついている虫をとってくれたり。

彼らの夏の住処である、近くの里山も、
だんだん餌が少なくなってきているのかもしれません。

おなかが大きく膨れたカマキリを見かけるのもこの頃。
今年はどこに産卵してくれることでしょうか。




今月の作業

11月に入ると朝夕と日中の寒暖の差が出てきます。
バラの花色が深まり、一輪一輪が美しく、
特に雨上がりのしずくを含んだバラは、すばらしく綺麗です。
そんな光景を見つけたら、
ぜひ一眼レフ、それもマクロレンズを付けて
ファインダーを覗いてみてください。


(シャリファアスマ)

11月から翌年の春3月位までは、野山に出かけて土着菌を探すのに好適です。
落ち葉が敷き詰められた里山の雑木林を歩いていると、
そこだけ何故か草がつやつやと元気のよい場所が目に留まることがあります。
そんな場所は、たいていぎっしりと落ち葉でマルチされているのですが、
そのマルチの下に、土着菌のコロニー”はんぺん”(下写真)を見つけることができたら、
とてもラッキー。



私は毎年、近くの雑木林の秘密の場所(^^)ではんぺんを見つけてきます。
そこは、南側に面した小さな斜面で、
上に竹やぶがあり、適度な日陰になっている場所です。
斜面のすぐ下には、ミネラルたっぷりの山の湧き水がちょろちょろ流れていて。
ぎっしりと積もった落ち葉のふとんをそっとめくってみると、
団粒化した土と落ち葉との境目のあたりに、
はんぺんが見つかります。

この土着菌を使って、発酵米ぬかを作ります。
仕込んでしばらくすると、ほかほかと発熱し、
甘酒のような麹の甘い香りがたち始めます。
発酵が均等になるように、毎日かき混ぜると、
だいたい2週間くらいで真っ白になり発酵が落ち着きます。
これを発酵肥料作りの種菌にします。

市販の菌(バイオポストなど)でも、
発酵肥料は作れますが、
土着菌のパワーは強力です。
何よりも、その土地の気候風土に合った有効菌の塊ですから、
失敗がありません。

バイオポストは、フランスで開発された菌ですので、
米ぬかを発酵させると
ワインのような高貴な香りがします。
日本の里山の土着菌で米ぬかを発酵させると、
甘酒の匂いです。

よく土作りをした自分の庭の団粒化した土も
米ぬかを発酵させる力を持っていますが、
この菌は、甘いバラのような香りを立てながら発酵します。

おもしろいものですね。

本格的に発酵肥料を仕込むのは、12月まで待つのが無難です。
さすがにその頃になると
小バエや、コウカアブもあまり見かけなくなりますから。

ですから、
今月のうちに、肥料づくりに使う材料をそろえたり、
発酵米ぬかを仕込んでおいたりしましょう。

バラの庭とともに歩んだ一年も、来月にはまたふりだしに戻ります。

来年の庭に想いを馳せながらも、
けなげに咲いている名残のバラたちに
ありがとうの気持ちを忘れずに。。。

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