10月の作業

庭の様子

残暑もすっかりおさまり、
澄みきった青空が広がって庭はようやく息を吹き返します。

まだ蚊は居ますが、庭に出て作業をしようという気にもなってきます。

バラの葉も復活し、庭は2度目の春を迎えたかのよう。
ゆく秋を惜しむようにバラたちは次々と小さなつぼみを付け、
春のように一斉ではありませんが、細く長く、秋バラの季節が始まります。


(エメヴィべール)

生き物たちの様子

この時期の害虫は(蚊も含めてですが)、
来春の子孫を残すために必死です。
ちょっと注意を怠るとほんの一夜にして
あっという間に葉や蕾を食べつくされてしまったり。
アブラムシも再び活動し始めます。
それに呼応するかのように、
ヒラタアブやテントウムシたちの姿も見かけるようになります。
これから晩秋までの短い時間、
春にも見たような生き物たちのドラマが再び繰り広げられるのです。

でもそれは、ほんの束の間の輝き。
来る冬に向けて、
少しずつ、虫たちは、それぞれに冬越しの準備を始めています。

今月の作業

秋バラを楽しみながらも、心はもう来年の春に向かっています。
次々と届く新しいバラのカタログで品定め。
オーガニックローズに向くのは、
どんな条件でも育てやすくて丈夫なバラです。
初心者向け、強健・・などのキーワードを頼りに
来年新しく育てるバラを選びます。

月末ごろからは、来年の春から使う発酵肥料の仕込みも始めましょう。
その前に、準備が2つ必要です。

一つ目は、発酵の元種となる発酵米ぬかを仕込んでおくことです。

発酵米ぬかは、
雑木林のはんぺん
などの土着菌、
庭の団粒化した土バイオポストなどの市販の資材などから作ることができます。

菌の種類は多様な方がよいので、
上記の3つはできればそろえた方が心強いでしょう。

紅葉狩りのついでに、
雑木林ではんぺんや団粒化した山土を探してくるのもよいかもしれません。

二つ目の準備は、大雑把でもよいので、肥料計算をしておくことです。
冬の間に、1年分の発酵肥料を作っておければしめたもの。
そのために、どんな有機肥料を使うのか、
分量はどれくらいにすればよいのか、ということを
あらかじめ計算しておくのです。

下記に肥料計算のための表の例を載せておきましたので、
参考になさってみてください。

資材名 重量(s) 窒素 燐酸 カリ 重量×窒素% 重量×燐酸% 重量×カリ%
油粕 20 5.30% 2.30% 1.00% 1.06 0.46 0.2
草木灰 10 0.00% 1.00% 20.00% 0 0.1 2
バッドグアノ 15 0.10% 23.00% 0.10% 0.015 3.45 0.015
魚粉 20 8.00% 7.00% 0.00% 1.6 1.4 0
くんたん 15 1.30% 0 0 0.195
米ぬか 10 2.00% 2.00% 1.50% 0.2 0.2 0.15
リンカリ肥料 2 16.00% 15.00% 0 0.32 0.3
低度化成 8 8.00% 8.00% 8.00% 0.64 0.64 0.64
合計 100 3.515 6.57 3.5
化成肥料率10% NPK→
合計/総重量
N  4% P  7% K  4%
庭のバラ100株9.37ヶ月分



年間窒素一株につき30グラム必要として
春から秋まで 8ヶ月(2月〜9月)
30/8/0.03515=毎月施肥量106g(一株当たり)

発酵の最終過程で加える化成肥料は、
一度に入れる量を全体の10パーセントを越えないようにします。
もっと肥料の効率を高めたければ、
化成肥料を何度かに分けて追加し発酵させるとよいと思います。
化成肥料も、発酵菌の働きで
良質の有機肥料に変化していくのだそうです。

NPKの割合は、P(燐酸分)が多目の山形になるようにします。
バイオゴールドのバラ用が、5・8・5ですので、
それに近づけることができればよしと考えています。

ちなみに、上記のレシピで
農家向けの肥料屋さんで資材を入手した場合、
1sあたりわずか112円しかかかりません。

資材には、上記の他にもいろいろなものが使えます。
例えば、ニームケーキを混ぜれば、
虫対策にもしかしたら有効かもしれません。
工夫次第で、いろいろできそうですので、
楽しみながら設計してみてください。



(ティプシーインペリアルコンキュバイン)

inserted by FC2 system