発酵肥料の作り方 使い方


2006年の冬からトライ始めた
発酵肥料作り
庭や近くの雑木林に棲む土着菌を採取し
米ぬかで元気付けて元だねとして作る肥料です
全体が有効菌の塊のこの肥料
春先から使い始めてみると
驚きの効果をあげてくれました

もしかしたら、これは、
誰でも手軽に取り組めて効果も抜群な
オーガニックローズ栽培法の決め手となるかもしれない…
そんな予感で
胸がどきどきしています

ここにその肥料の作り方と
使い方を記します


善玉菌の採取

オーガニックローズの栽培は、
善玉菌をいかに庭に取り入れるかが重要です。
市販のものもいろいろありますが、
もっともよいのは、その土地の気候に合った
土着菌といわれる菌たち。
林の落ち葉の降り積もったあたりをそっとめくってみると
はんぺんと俗に言われるような
菌の塊を見つけることができます。
竹林にも、とてもよい菌が棲み付いているとか。
こんな菌を探してこれたら、最高です。

善玉菌は、よく土作りをした庭土の中にも棲んでいます。
たとえば、米ジョーや有機物マルチでころころに団粒化した土。
そんな場所で育つバラは、病気にも強く、生育もよいはずです。

でも、どうしてもそんな菌が手に入らない場合。
バイオポストなどの市販の菌で
米ぬかを発酵させてみたところ
同じように甘い香りを放って発酵してくれました。
君島さんの馬ふん堆肥でも、
やっぱり米ぬかを発酵させることができました。
手に入る善玉菌を使えば、
いろいろと工夫の余地はありそうな感じです。


発酵米ぬかを作る

上記のような場所から、採取したはんぺんや土または
市販の善玉菌に
5倍程度の米ぬかを混ぜます。

※黒いのは、ミセスリビングのMakikoさんとMomokoさんにいただいたコフナです。
コフナは、フランスのパスツール研究所が開発した土壌改良資材。
すなわち、善玉菌のかたまりです。


米ぬかの量に対して
菌が多ければ発酵が早く
少なければ発酵がゆっくりと進みます。

そこに、水を全重量の25パーセントくらい加えよく手でもみこみます。


これは、握ってもぽろりと崩れる程度。
多すぎると腐敗に傾きますので水分量の調節が成功への鍵です。



水分調整したものを通気性のよいテラコッタの鉢に入れ、




虫が入らないように、
しっかりと隙間無くふたをしておきます。


もちろん、鉢底には、網などを敷いて
米ぬかがもれないようにしておきます。^^



置き場所は直射日光が当たらない
風通しのよい場所がベスト。

数日で発熱してきますので、
ときどき底からよくかき混ぜてあげます。
この写真にあるコフナの場合、わずか半日ほどで甘い香りとともに発熱してきました。

甘〜い香りがしてきたらOK.。
次第に匂いは変化していき、
最終的には温度が下がって白っぽくさらさらになります。
↓下の写真は、米ぬかにコフナを入れて20日発酵させたものです。
こんなふうに真っ白、さらさらに変化してくれたら完成です。





発酵肥料を作る

発酵米ぬかは、そのままでも肥料や米ジョーなどに使えますが、
さらにパワーアップさせるために
これを元だねに、発酵肥料を作ります。

材料は、
油かす、骨粉、草木灰、
生の米ぬか、
カニガラ、魚粉、クンタンなどなど…
よさそうなものをいろいろ組み合わせて
自分だけの発酵肥料作りにトライするのも
楽しいものです。

電動生ごみ処理機の
乾燥生ごみも使えます。

材料がそろったら、
そこに、発酵米ぬかを総量の10分の1程度加えます。
もちろんこれよりも多くてもOK。
発酵菌が多ければ発酵は早く、
少なければゆっくりと進みます。

前述のコフナを入れて作った発酵米ぬかを元だねとし、
乾燥生ごみを使って
米ぬか発酵肥料を作ってみました。

乾燥生ごみは酸性なので、
ほんの少し、庭でのBBQで出た灰を入れます。↓
草木灰やクンタンでももちろんOKです。


さらに、生ごみ処理機から出た乾燥生ごみを投入。


そして、水分を総重量の25パーセントくらい、
握ってもぱらっと崩れる程度加えよくすり混ぜます。


テラコッタの鉢に入れて、
しっかりとふたをします。
その後、温度が上がってきたら時々かき混ぜるということを続けます。


この発酵肥料の場合、仕込んですぐに甘〜い匂いがし始め、
穏やかに発熱しながら白い菌糸がまわっていきました。

2週間から1ヶ月くらいで温度が下がり
全体に白っぽく色が変化してきたら、
化成肥料を総重量の10パーセントくらいを超えない程度に入れます。

化成肥料は、酵母菌を元気にします。
菌の働きで
化成肥料がアミノ酸などに変化するのだそうです。

私は、リンカリ肥料2に8-8-8の低度化成を1ブレンドして使っています。
リンカリを補充することで、バラのための肥料バランスもよくなります。

化成肥料を入れると一時的に温度が上がります。
高温にならないように
かき混ぜるということを続けます。

温度が下がったら、
鉢から取り出し、
麻袋や紙袋のような通気性のよいものに移して
直射日光や雨があたらない場所に
保管しておきます。
しばらく寝かしておくと
真っ白でさらさらな肥料に変化していきます。

できあがった発酵肥料は、全部使ってしまわずに少し残しておけば、
また元だねとして使うことができます。
さらに発酵菌を購入する必要はありません。



発酵肥料を使う

出来上がった発酵肥料は、
菌を守るため、
直射日光が当たらないように
マルチの下に入れるか、
表面の土に軽く混ぜ込むようにします。

量は、最初は少しずつ、
様子を見ながら与えていきます。
普段使っている肥料と併用してもかまいません。

私は、2006年の春から自家製発酵肥料を主体にして、
毎月始めに一握りずつ施してみたら、
たいへんよい結果を得ることができました。

今年は米ジョーはせず、
発酵肥料のみの管理としてみたのですが、
うどん粉もでず、蕾の上がりがすこぶるよいのにはびっくり。

何か、内側から湧き上がってくるようなパワーをバラから感じます。



発酵肥料の可能性

去年、米ジョーを鉢にやってみて
たいへん残念なことに
根ぐされしてしまったという話を聞きました。
おそらく未熟な米ぬかが
鉢という小さな環境の中で
土を腐敗させてしまう方向に働いてしまったのでしょう。
このような失敗は、
あらかじめ発酵させた発酵肥料や発酵米ぬかでは
おこらないかもしれません。

また、庭土に米ジョーして
土ごと発酵をねらいながら土作りをするには
年単位で時間が必要ですが、
発酵肥料を使う場合は、
もっと早く結果が出せるような気がしています。

ただ、
私が私の庭の団粒化した土から採取した善玉菌は、
まぎれもなく今までの米ジョーなどによる土ごと発酵の結果
庭に棲みついてくれた菌だと考えられます。
冬に庭土を使って発酵させた米ぬかが
すばらしく甘い香りを放って発酵したことを思えば、
時間はかかるけれども
米ジョーなどによる土ごと発酵も
とてもすばらしい方法であると改めて確認できました。

さて、なぜ発酵肥料が、オーガニック・ローズ栽培の決め手となりえるのでしょう。

それは、発酵肥料の中に
病菌と拮抗するさまざまな菌がたっぷりと含まれているからです。
こうじ菌、納豆菌、乳酸菌、酵母菌、放線菌などがその菌たちなのですが。
発酵の過程で、この菌たちがリレーしながら働いて、発酵肥料が出来上がっていきます。
活きのよい土着菌の中に、これらの善玉菌が潜んでいるのでしょう。
発酵肥料として庭に施すと
庭の中でもこれらの善玉菌が活性化し、
病菌と拮抗して病気を抑えてくれるのではと考えています。

また、発酵肥料は、即効性の有機肥料としても働きます。
バラを内側から活性化し、
病気や虫に強い丈夫な体を作ってくれるのです。

実は、私も
以前からよいとは聞いていても、
実際に作ってみるまでは、
とても難しいのではと感じていた発酵肥料ですが、
土着菌とテラコッタ鉢で作ると
ほとんど失敗も無く簡単に作れるということがわかってきました。
何よりも、発酵の過程で立ち上ってくる
甘〜い香りに
毎日癒されるような思いです。
かき混ぜるのもぜんぜん面倒くさくないんです、ほんとに不思議ですが。

オーガニック・ローズの栽培法に
新しくそして確実な道が開けてきた…
そんな予感がしています。





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