米ぬか発酵肥料


晩秋に近くの雑木林を散策していて、
有効微生物のかたまり”はんぺん”を見つけました。
米ぬかを使ってこの有効菌を培養し、
肥料作りや土作りに役立てようと思い立ちました。
おりしもこれから向かう冬は、発酵にもってこいの季節、
米ぬかを使っての発酵肥料作りを始めました。

さて、この機会にほんの実験気分で、
自分の庭の土も米ぬかに混ぜて発酵させてみました。
すると、山の”はんぺん”よりも発酵が早く、
ほんの数日でほかほかと温度が上がり、
とてもすばらしい甘い香りがしてきたのです。
私の庭に、こんなすばらしい菌が育っていたなんて!!

この菌をどのように利用していこうか、
新しい試みがまた始まろうとしています。

11月22日

さて、これが、”はんぺん”です



近くの里山の雑木林で見つけました。
朽ちかけた倒木をそっとどかしてみたら、
その下に降り積もった落ち葉にからみつくように
弾力のある真っ白な菌糸のかたまりがあったのです。
小さなビニール袋に詰められるだけ詰めて持ち帰りました。







11月23日

この菌糸のかたまり”はんぺん”を米ぬかに混ぜていきます。
はんぺんの量は米ぬかの1割程度です。



よく混ぜ合わせたら、
握ると固まるけれどつつくとぽろっとほぐれる程度に水を加えます。
目安としては、総重量の25%。
混ぜているうちにもう、甘い香りがし始めました。







さて、これは、私の庭の土です。↓
うちの庭でもとりわけも生育の良いバラ”スノーグース”の株元の土。
ころころに団粒化していますね。
ここの土と、やはりダントツに生育の良い
”コーネリア”の株もとの土を採取しました。
この土を使って、米ぬかを発酵させてみようという試みです。
うちの庭土の力はどの程度なのでしょうか。



採取した土が1割程度となるように米ぬかを混ぜ、
水分調節をしました。
混ぜているうちに、ものすごくよい香りがし始めました。
まるで甘酒か、バラか、そんな素敵な香りです。
仕込んだものは、直射日光が当たらないようにして屋外に置いておきます。
発酵がうまく進んでいくと、温度が上がってきます。







11月27日

さて、上の庭土を混ぜた米ぬかを数日たって見てみると、
なんともうほかほかと発酵熱が上がってきています。
ぽろぽろだった米ぬかがひとつにまとまって、
表面が白っぽく変色しています。
そして、とてもすばらしい甘〜い香りが強く上がっていました。



こちらは、山の”はんぺん”の菌糸を混ぜた方の米ぬかです。↓
まだ発熱はしていませんが、
柔らかな甘いいい香りがしています。



この日、もうひとつ実験をしてみることにしました。
バイオポスト”という微生物資材を米ぬかで培養してみようと思いついたのです。
下のように水分調整をしてねかしておいたところ、↓
やはり数日で発熱し始めました。
バイオポストは、フランスのパスツール研究所で
研究開発された有効微生物です。
葡萄の枝を使って作られたというだけあって、
発酵した香りは、甘く芳しく、ワインを思わせるような感じでした。
フランス生まれの菌でも、米ぬかで培養することで、
日本の風土にあった元気な菌に変身させることができるかもしれません。







12月3日

さて、上のようにして培養した土着菌たちが
2週間経って、さらに元気に活動始めました。
ほかほかと温度が上昇し、甘い香りもさらに強くなり、
白い菌のコロニーがみられるようになって。
ここらで、土着菌を使った自家製発酵肥料作りに挑戦してみましょう。

今回使ったのは、下記の材料ですが、成分の計算まではしていません。
大雑把ですが、燐酸分が多めの、窒素・燐酸主体の肥料です。
カリは、何かでさらに補う必要があるかもしれません。

これは、カニガラペレットです。↓
白いバケツは約5リットルの容量。



これは、骨粉。2キログラムあります。↓



魚粉です。全部で2.5キロ使いました。↓



そして、油粕。5キロ投入します。↓



モミガラクンタンです。5リットル使います。↓



そして、ここでもやっぱり米ぬか。5リットルです。↓



ぼかし肥料作りに大切なのは、肥料を入れる土壌の土。↓
団粒化した庭の土を
とくに生育のよいバラの株元中心に集めてきました。



上記の材料を野菜を育てるのに使っていた
大き目のプラスチックコンテナの中で
よく混ぜ合わせます。



そして、ここで投入するのが、種菌となる”はんぺん”を米ぬかで培養したもの。
仕込みから2週間経って、ほっかほかに温度が上昇し、
菌の活動がとても活発になっています。



上のはんぺん米ぬかの表面です。
白い菌のかたまりがたくさんできているのがわかりますか?
甘くてとてもいい匂いなんですよ。



はんぺん米ぬかを混ぜ合わせ、
さらに、
バイオポストもほんの2握りほど投入してみました。



5リットルほどの水を加えて、
握ると固まるけれども、つつくとほろっとくずれるくらいに
水分調整をします。↓
このとき使った水は、
バイオゴールドを溶かして液肥にしておいたものを
さらに薄めて使いました。
この液肥も有効微生物のかたまりのはずです。



金網でふたをして丈夫なビニールで覆い、
匂いに誘われて、のら猫がいたずらしないように
しっかりとレンガをのせておきます。







11月4日

さて、こちらは、↓
米ぬかに団粒化した庭土を混ぜたものです。
仕込んでから2週間以上たって、すっかりいい具合に発酵してくれました。




こんなに白い菌糸がしっかりと回っていてうれしくなります。↓
ほんわかと温かく、まだまだいい香りがしていて。
こんどは、これを元種に、拡大発酵させていきます。
体積が5倍くらいになるように新しい米ぬかを混ぜ、
水分調節をして、ふたのできるバケツの中に入れておきました。
混ぜているだけでも、すごく甘くて、おいしそうな香りがしてきます。

このあとは、ときどき様子を見て、
温度が上がってきたら攪拌し空気を入れてあげます。
ふっくらとさらさらになったらできあがり。



このようにして、”はんぺん米ぬか”も、それから、”バイオポスト米ぬか”も
それぞれ拡大発酵させています。
十分に発酵したら、日陰で乾かし、袋に入れて保存しておきます。
冬は、虫もわきにくく、腐敗にも陥りにくいので、
寒い間にこうやってどんどん拡大発酵させて
米ぬか発酵肥料として保存しておくつもりです。

この肥料は、米ジョーをするとき、
バイオゴールドの液肥の替りの善玉菌としてきっと使えると思います。
また、肥料として施しても、きっとよい効果が期待できるでしょう。
一度作っておけば、
米ぬかさえ投入すればどんどん増やせるので経済的。

この冬は、”菌遊びに”しっかりはまりそうです。^^;



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